くもんで算数を学んでいた子に時々起こることといえば、「計算は得意なのに、文章題は苦手」という現象です。実際に我が子がそうですし、同い年で同じくくもんに通っていたクラスメイトの子もそれです。インターネット上でもそんな記事を時折見かけることがあります。
我が子が何故そうなってしまったのか?これは、くもんが主に計算問題しか出題しないということもあり、あたかも全てくもんが原因のように言われているのですが、私は現在はそう考えていません。
文章題を解くためには、そこに書かれている問題文を正しく読解し、それに見合った式を立てて計算し解いていかなければなりません。文章題が苦手な子は、見当違いな式を立ててしまったり、そもそもどんな解き方を使えばいいのか分からなかったりして、式を立てるところまで至らなかったりするようです。
かく言う私もそんな子供でした。くもんにも学習塾にも通っていなかったし、自宅で学習する習慣もなかったので、計算も遅いし暗算も苦手、挙句文章題なんて以ての外という状態でしたので、「何故文章題が解けないのか・苦手に思うのか」に対する共感度にはめちゃくちゃ自信があります。
私の場合は、どの式を立てればいいのか、解きかたの見当をつけるのが苦手でした。我が子の場合は、式を立てるのですが、立て方を間違うパターンが多いようです。割り算を掛け算にするといった具合です。
この「文章題が苦手」問題にずっと悩まされ続けてきましたが、現在はどうすれば改善できるか、その道筋が段々分かってきたところです。皆さんとシェア出来たらと思いますので、文章題が苦手で悩まれている方はこのまま読み進めていただければと思います。
まずは、何故文章題が解けないのかを考えなければいけません。おおむね2つが主な原因と私は見ています。
・問題文を読解できていない
・圧倒的な演習量不足により、解法が身に着いていない
まずは1つめの「問題文を読解できていない」ですが、問題文を拾い読みしたり、読み落としたり、思い込みで読んだりして、誤った自己解釈で読んでいるということです。
これは読書好きな子でも十分陥る可能性があると思います。物語などを読むとき、すらすらと目が活字を追えるのは、物語や小説でよく使われる表現パターン等を無意識に自分の中で補完して読んでいるからです。いわゆる拾い読みでも物語の筋は理解出来るからとも言えます。
読書が苦手な子は、表面を滑るように読んでいるものと思われます。字体を一個一個目に入れてるだけに近いのような状態です。苦手であるが故に、さっさと読み終えたい心理もあるのではないでしょうか。
両者に共通しているのは「精読出来ていない」ということです。よく、読書好きになれば文章題も解けるようになるとまことしやかに謳われていますが、どうやらそうではない模様です。またもや自分を引き合いに出して申し訳ないのですが、私は子供のころからかなりの読書好きです。でも文章題はまるきりだめでした。
既に大量に読書経験がある子はいきなり精読のトレーニングに入っても問題ないかと思いますが、本嫌いの子はまずは活字嫌いを克服していく必要があります。
絵本や薄い本、挿絵が多めな本などの幼児や低学年向け図書からスタートして、たくさん読んでいくことで読書経験を積み、活字慣れしつつボキャブラリーを増やしていく。その上で精読トレーニングを受けるのがよいでしょう。すでにお子さんが中学生でも有効な方法だと思います。読んだ本の表紙をスマホのカメラで撮っておくと頑張った成果が見える化していいかもしれません。
精読のトレーニングについては別記事に書こうと思います。
2つめの「圧倒的演習量不足により、解法が身に着いていない」ですが、これは自宅学習不足が根源ではないかと考えています。苦手であるが故に、やりたくないという心理から、自学自習で避けてしまったりして演習量が不足してしまうということです。
一般的な学力の子は、学校や宿題でやったくらいでは解法が簡単には身につきません。例題を何度も繰り返し解いたり、さらに類題を色々解いたりして数を積まないと手は自然と動きません。計算力も文章題を解く力もしつこく何度もやって初めて身につくスキルです。まるでスポーツのトレーニングやゲームの操作と一緒ですよね。練習を繰り返して体に覚えこませていくわけです。実際、くもんではそうやって計算力をつけたよね?と言うと、スポーツが苦手な我が子も演習量の重要さを理解できるようです。
算数・数学は積み上げ型の学問であると専門家は仰っています。基礎が出来ていないと先に進めないようになっていますから、どこかでつまずいたのなら、過去のどこかの単元での理解度不足が原因になっていることが多いそうです。我が家では、小学校6年間の算数例題の解説本を一気にやってもらいました。それと同時進行で、進学塾のIoT教材「アタマプラス」で数学の演習を進めています。また、本人には「避けてるといい結果は出せないんだから、毎日少しづつでいいから算数・数学に変態的に取り組んでごらん」と根気強く伝えています。
1つめの読解力アップのためのトレーニングとして、同塾で教材「速読解トレーニング」を受けていますが、これについては別途読書経験を積んでいくこと・精読のトレーニングも独自に進めていく予定です。
一見遠回りなようでいて、それが一番近道だったりすることはよくあるものです。まずは出来るところから始めてみませんか?
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